フォイヤーツァンゲンボウレ(Feuerzangenbowle)…。
いかにもドイツ語っぽい響きだし、長くて解読不能ですよね…。
ですが、これ、簡単に言うと、グリューワインの進化系の飲み物です。
そんなフォイヤーツァンゲンボウレについての詳しい解説と、クリスマスマスマーケットの屋台で実際に飲んできたので、お店の様子などをお伝えします!
目次
フォイヤーツァンゲンボウレ(Feuerzangenbowle)とは
クリスマスマーケットと言えば「グリューワイン」ですが、その、グリューワインの進化系が「フォイヤーツァンゲンボウレ(Feuerzangenbowle)」です。
グリューワインと一緒で、冬に飲む温かいワインです。
名前が長くて分かりにくいですが、分けると簡単。
・フォイヤー(Feuer)→火
・ツァンゲン(Zangen)→ペンチ・ものをつかむはさみ
・ボウレ(Bowle)→パンチ(ワイン・果物・香料などをミックスした飲料)
となります。これなら覚えられそう…!
実はドイツに来るまでその存在を全く知りませんでした。
主に、オーストリアやスイス近郊で、アドベント期間や大晦日に飲まれることが多いお酒だそうです。
「フォイヤー」というだけあって、炎が出ます!
作り方に特徴があるので、以下で説明します。
材料
・辛口赤ワイン
・レモンとオレンジ
・クローブやシナモンスティック、八角などのスパイス類
・砂糖(フォイヤーツァンゲンボウレ用のツッカーフット(Zuckerhut)という円錐形の巨大な砂糖の塊)
・ラム酒(アルコール度数が54%以上のもの)
だいたい、以上のものからできています。
特徴的なのは、お砂糖(ツッカーフット)とラム酒。
これが「フォイヤーツァンゲンボウレ」に欠かせないものとなっています。
作り方の概要
1、お鍋に、ワインと果物類(果皮・果汁)とスパイス類を入れて火にかけ、沸騰しない程度まで温めて砂糖なしのグリューワインを作る
2、鍋を火からおろす
3、鍋の上にフォイヤーツァンゲンボウレ専用の砂糖台を乗せ、その上に砂糖(ツッカーフット)を置く
4、砂糖にラム酒を染み込ませる
5、ラム酒の染み込んだ砂糖に火をつける(熱で砂糖が溶けて、鍋の中へ)
6、火が消えたら完成!
手順5で、砂糖に火をつけると、ラム酒のアルコールで砂糖が炎に包まれます。
すると砂糖が徐々に溶けだして、カラメル化したものが下のお鍋の中のグリューワインの上に落ちていきます(この炎の様子がとても美しいそう)。
そして、もし、つくることがあったなら、砂糖に火がついている時に、追加で瓶から砂糖に直接ラム酒を注ぎ込むと、瓶のアルコールに引火してしまう可能性が高くて危険です!
ここには概要しか書いていないので、こりゃあどうしても家でつくりたい!という方は、ちゃんとした作り方を調べて充分注意して作ってみてくださいね。
専用の砂糖台や砂糖(ツッカーフット)が必要だったりして、なかなか気軽に作れるものではないですが…。
ドイツの大きいスーパーなんかに行くと、フォイヤーツァンゲンボウレセットが売っています↓
左から、ラム酒と砂糖台とツッカーフットのセット。
興味のある方は、是非!
フォイヤーツァンゲンボウレをクリスマスマーケットで飲んでみた
そんなフォイヤーツァンゲンボウレがデュッセルドルフのクリスマスマーケットで飲めるとの事で、早速行ってきました。
お店の様子
屋根の看板に「Feuerzangenbowle」と書いてあり、何と、メニューはこのひとつだけです!
お店の上の方には、フォイヤーツァンゲンボウレ専用のお砂糖ツッカーフットがずらっと並んでいます。
(下の画像の白矢印の先にある円錐形のもの↓)
かなり大きい…!
お店の中には、大きな窯?ボウル?の様なものがあって、その中にフォイヤーツァンゲンボウレが入っていました(下の画像の白矢印の先)。
注文すると、その窯?の中からレードルですくってカップに入れてくれます。
カップは、グリューワインと違って取っ手のない素焼きの素朴なカップ↓
グリューワインは200mlのカップですが、これは250mlでした。
このカップももちろん持ち帰ることができます。
お店の中で火をつけて作業してくれないかな~と思って店のそばでしばらく待っていましたが、結局見られませんでした…。残念…。
お味について
グリューワインにラム酒が入っているので、香りはちょっと大人な感じです。
ラム酒とカラメルのお味でさらに大人な味わいになります。
でも、作り方から分かるように、砂糖もかなり入っているので、甘くてスイスイ飲めてしまいます。
グリューワインよりも飲みやすいくらいでした。
でも、アルコールはグリューワインと変わらないので、飲みすぎ注意です~。
フォイヤーツァンゲンボウレの飲める場所
クリスマスマーケットにフォイヤーツァンゲンボウレ専門のお店が出ていることもありますが、たぶん少数派。
デュッセルドルフのクリスマスマーケットでは、市庁舎前のMarktplatzに専門店がありました。
地図:
Marktplatzのクリスマスマーケット↓ここの広場の奥の方です。
*デュッセルドルフのクリスマスマーケットについての記事はこちら↓
それ以外では、グリューワインを売っているお店でも飲めることがあります。
それだと、大きな窯で一気につくるのではなくて、普通のサイズのカップにパンチ(ワイン・果物・香料などをミックスした飲料)が入っていて、カップの上にスプーン(専用のもの?)が渡してあり、その上にラム酒を染み込ませた角砂糖がのせてあります。
その角砂糖に火をつけて渡してくれます。
アーヘンのクリスマスマーケットでは、その火のついたマグカップを持って歩いている人が多く居たので驚きました!
でも、これなら雰囲気も気軽に楽しめますね~。
グリューワインなどを取り扱っているお店のメニューを確認してみてください!
フォイヤーツァンゲンボウレまとめ
この記事を書いていて、何度、「フォイヤーツァンゲンボウレ」とタイピングしたのか…。
こんな長い名前を最初聞いたときは「覚えられないわ~」と思ったものの、何度も何度も書いていて、今やもう、むしろ忘れられなくなってしまいましたよ~。
ぜひ、声に出して読んでいただきたい「フォイヤーツァンゲンボウレ」。
ドイツ語独特の響きを体感して頂けるのではと思います…!
クリスマスマーケットと言えばグリューワインですが、こちらは珍しいので、見つけたらぜひ飲んでみてくださーい(^v^)