ドイツと言えばプレッツェル。
このプレッツェルですが、ドイツのパン屋さんでは、Laugenbrezel(ラウゲンブレーツェル)と書いてあるのを見ることが多いと思います。
プレッツェルの前に、「ラウゲン」って付いているのですが、これが普通のプレッツェルのことです。
そしてこの「ラウゲン」が、プレッツェルの味をプレッツェルらしくしている元になります。
さらに、パン屋さんでよーく見ると、プレッツェルだけでなく、他にも名前の頭に「ラウゲン」と付いているパンを見つけることができます。
ここでは、その「ラウゲン」ってそもそも何?というところと、名前の頭に「ラウゲン」って付いたパンたちについて紹介したいと思います。
この「ラウゲン」的パンたちは、ドイツでしか購入できないので、ぜひ味わって欲しいと思います!詳しくご覧ください~
目次
プレッツェルとラウゲンについて
プレッツェルとは
ご存知のドイツ名物プレッツェルですが、ドイツ語では「Brezel」で「ブレーツェル」と読みます~。
かわいさがなくなって、一気にドイツ語っぽい感じに。
プレッツェルの起源については諸説あるようですが、
窃盗の罪を犯したパン職人が、一つのパンから太陽を一つの角度から3度見ることができれば牢獄に入らなくても良いと領主に言われ、生地をプレッツェルの形にねじり上げて焼き上げたという伝承がある。
(出典:Wikipedia)
というのが良く知られている様です。
ラウゲンとは
そして、導入でも述べた、プレッツェルの前についている「ラウゲン」について。
「ラウゲン」とは、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を水に溶かしたアルカリ溶液のこと。
この、アルカリ溶液のことをドイツ語で「ラウゲン」と言います。
プレッツェルを作る際に、 パン生地をこのラウゲン液(3-5%)に浸してから焼き上げます。
これにより生地表面がこんがりした茶色になり、独特の風味と 食感が生まれることになります。
この、ラウゲン液に浸すから「ラウゲンブレーツェル(Laugenbrezel)」と呼ばれるのです。
ちなみに、日本では水酸化ナトリウムは劇薬。
薬局で、身分証明書を提示して使用目的を書いたりしないと購入できないものです。
食べても大丈夫なのか!?と思うのですが、熱による化学反応で、水酸化ナトリウムNaOHが中性塩に変化するので、問題なしだそうです。
岩塩が付いていないプレッツェルでも塩気を感じるのは、このためなんだとか。
まさに、「料理は化学」ですね~!
そんな劇薬なので、日本の家庭でプレッツェル作る際は、重曹などで代用していることが多いようです。
そもそも何故わざわざ危険なラウゲン液にパンをつけようと思ったかについては、
猫がパン生地の乗った天板に飛び乗ったことで、掃除用に使っていたラウゲン溶液にパン生地が落ちてしまい、もったいないからそのまま焼いて食べたらおいしかった。
という、突っ込みどころ満載のお話があります…。
プレッツェル以外のラウゲン風味のパン
そんな訳で、ラウゲン溶液に浸したパン→「ラウゲン〇〇〇」となります。
もともとはプレッツェルを浸すものに、違うパンを浸しているだけなので、すべてがプレッツェル風味になってしまっているという…。
そんな、ドイツ人大好きプレッツェル風味のパンを以下にご紹介します!
ラウゲンブロートヒェン(Laugenbrötchen)、ラウゲンシュタンゲ(Laugenstange)
これらはラウゲンプレッツェルの仲間たちで、形の違うラウゲンプレッツェルです。
なので、基本、味はほとんど変わりません。
ちょっと見づらい画像ですが、左から「ラウゲンブロートヒェン、ラウゲンプレッツェル、ラウゲンシュタンゲ」です↓ 並べ方…!
ブロートヒェンは丸くて小さいパンのことで、シュタンゲは棒みたいに長いパンのこと。
上に、粒状の塩ではなくて、ゴマ、ケシの実やかぼちゃの種が乗っていたりします。
ラウゲンクロワッサン(Laugencroissants)
ドイツ近隣国、フランス発祥のクロワッサンがラウゲン風味に!
これはラウゲンクロワッサンのサンドイッチです↓
ラウゲン効果で、普通のクロワッサンより表面が茶色くなっています。
最初は「ないだろ~」と思って購入を控えていたんですが、食べてみたら、これが予想外においしかった!
自分がドイツ滞在中にプレッツェル味に慣れてしまったせいかもしれませんが、全く違和感なし。
むしろ、ラウゲン液にくぐらせたせいか、モチモチ感がアップして、より香ばしくなっている感じ。
クロワッサンの油っぽい感じが嫌な人は、もしかしたらこっちの方が食べやすいのかも?
普通のクロワッサンが物足りなくなっている方は是非お試しを。
サンドイッチじゃなくて、ラウゲンクロワッサン単体での販売も、もちろんありましたよ~。
ラウゲンエッケ(Laugenecke)
これはラウゲンエッケのサンドイッチです↓
クロワッサン生地を三角形に切って、ラウゲン液にくぐらせて焼いた一品です。
ドイツ語で、「エッケ(Ecke)→角」なのでこの形です。
ラウゲンクロワッサンと同じでクロワッサン生地なんですが、こちらはカリカリザクザク感が強く、よりクリスピーで香ばしい感じに仕上がっています。
このラウゲンエッケのサンドイッチは、カマンベールと甘めのソースが入っていて、これがカリカリとばっちり合っておいしいです。
個人的には一番お気に入りのラウゲンエッケです!
ラウゲン風味のパンが購入できる場所
この記事に紹介されているものは全部「WOLFF」と言うドイツのチェーン店のパン屋さんで購入。
(ちょうど、語学学校の帰りに寄りやすい場所にあるため良く行く…)
オレンジ色とむらさき色が印象的なロゴです。
公式サイト→https://baeckerwolff.de/
「KAMPS」にもあります。
こちらも良く見るブレッツェル形が目印のチェーン店のパン屋さん↓
公式サイト→https://kamps.de/
他のパン屋さんにもあると思うので、ぜひ探してみてくださいね~!
まとめ
結局のところ、ドイツ人はプレッツェル(=ラウゲン風味)が大好き!ってことでしょうか。
日本では、日本風にアレンジが加わるように、ドイツではドイツ風になっていくパンたち。
クロワッサンもまさかラウゲン風味になるとは思っていなかったことでしょう。
いつも、ラウゲンクロワッサンを見ると、フランスから来たご婦人クロワッサンさんが、ラウゲン溶液風呂に入れられる時に「なにこの液体…!」とものすごく嫌な顔をしている…みたいなイメージがつい頭の中に浮かんでしまう…!
たぶん、パンの擬人化はこの絵本の影響です↓
(さとうめぐみさんの絵本はおいしそうな食べ物ばっかり出てくるので、腹減り必須ですが、親も楽しめておススメです~!)
おいしいんですけどね!
最初にクロワッサンをラウゲン液につけたのは誰かと言うところが気になる点です…。
ラウゲン的パンは、ドイツでしか食べられない味なので、ドイツに来たらぜひ試してみてくださいね~!(^v^)

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